高精度な加工を実現するワイヤー加工とは?ブスバー製作におけるメリット・デメリットをご紹介!

ブスバーの製造、金型製造等におきまして、お客様が高い寸法精度を必要とされる場合、成光工業ではワイヤー加工(ワイヤー放電加工、ワイヤーカット)を選択することがあります。
今回はワイヤー加工とは何か、メリット・デメリットについてご紹介いたします。

ワイヤー加工とは

極細のワイヤーに電流を流し、ワイヤーと加工物の間の放電現象を利用して加工をする方法です。
放電現象により発生した熱で、加工物を溶かしながら金属素材を切断していくため、ワイヤーと加工物は接触しません。

また、加工時には熱が発生しますが、冷却装置付き加工槽の加工液に加工物を漬けた状態で加工行うことで、素材の熱による変形を防ぎます。
ワイヤー加工は正式にはワイヤー放電加工といい、ワイヤーカットと呼ばれることもあります。

ワイヤー加工機を動かすためには、お客様からいただいた図面を元にCADデータを作成し、ワイヤー加工機に加工手順をプログラムして実行します。

ワイヤ加工を用いて加工したブスバー

メリット

ブスバー製作におけるメリット

まずは、ワイヤー加工を用いたブスバー製作におけるメリットをご紹介いたします。

寸法精度の高い加工が可能

通常、ブスバーで使用する板厚3mm〜6mmなどの厚みはもちろんのこと、厚み100mmのようなブロック材に対しても、寸法や直角度が高い水準での加工が可能です。

加工物への負荷が低く、薄板の加工ができる

非接触加工のため、素材への負荷はあまりかからず、熱変形も微少です。
そのため薄板の加工も可能となっており、成光工業では板厚0.01mmのステンレスの加工実績がございます。

異形状の加工が可能

通常のバー材では出来ない形状なども、平面図通りの形状製作が可能です。

貫通穴の高精度加工

板厚が厚いブスバーに穴を開ける場合や大きな穴をあける場合、プレス加工では穴の周りが引っ張られ、素材が変形してしまうことがございます。
ワイヤー加工は非接触で切断していく加工のため、その心配はありません。
また、穴についても、真円度、間隔寸法、面粗度が高い精度で加工できます。

金型製作・端子製作におけるメリット

成光工業ではブスバーの製造の他に金型の制作や端子・コネクタの制作も行っております。
その際のメリットもご紹介いたします。

高硬度材が加工できる

放電加工は導通性の金属であれば、高度の硬い材料(ステンレスや焼入れ材など)の加工が可能となっております。

複雑形状が加工できる

テーパー加工や上下異形状加工が可能なので、複雑な金型製作にも対応できます。

デメリット

豊富なメリットがある反面、以下のデメリットがございます。

  • 段取り時間が長い
  • 加工時間が長い
  • 異形状の場合は、プレートからの切りだしのため、材料の歩留まりが悪い
  • 加工槽内に入る大きさに限られる(約500mm x 300mm)

そのため、成光工業ではワイヤー加工だけでなく、お客様のご要望に合った加工方法をご提案させて頂きます。
よろしければ、様々な加工方法による実績も合わせてご覧ください。

まとめ

成光工業ではワイヤー加工の中でも難易度の高い加工を得意としております。
複雑な形状の加工、薄板の加工等をご検討中のお客様はお気軽にお問い合わせフォームよりお問い合わせください。